
バリ取りの自動化では、バリを除去した後に発生する二次バリへの対応が品質安定化の重要な課題になります。超硬ロータリーバーやブラシはバリ除去に有効ですが、バリ除去後にカエリが生じる二次バリの問題が生じることがあります。
自動化ラインでは作業者による微調整が難しいため、二次バリを安定して除去できる工具特性が求められます。
そのため、バリ除去後の後工程として、ゴム砥石による二次バリ除去や仕上げを行う方法が検討されることがあります。
バリ除去で使用される工具の特徴と課題
金属加工の現場では、超硬ロータリーバー、一般砥石、砥粒入りナイロンブラシなどが、バリ除去に使用されています。
超硬ロータリーバーは高い除去能力を持ち、大きなバリを短時間で除去しやすい工具です。一方で、エッジ部への当たりが強くなりやすく、加工条件によってはエッジだれが発生することがあります。
ブラシは当たりが柔らかく過度な削り込みを起こしにくい反面、強固なバリに対しては除去能力が不足することがあります。
現場ではバリが除去できていても、その後の洗浄工程や組立工程で微細な二次バリが発見されるケースもあります。
なぜ二次バリが発生するのか
二次バリは単純に「削り残し」だけで発生するわけではありません。
加工中に工具がエッジへ強く当たると、切り取られなかった金属が押し出されるように残ることがあります。この微細な突起が二次バリとして残る場合があります。
また、目詰まりによって切れ味が低下した工具では、金属を削り落とすというより押し潰す状態になりやすくなります。作業者はこの状態を「当たりが重い」「いつもより削れない」と感じることがあります。
自動化ラインではこうした違和感を人が判断できないため、工具の摩耗や目詰まりの進行に気付きにくく、品質のばらつきにつながることがあります。
二次バリが残ると、洗浄工程で切りくずが残留したり、組立工程で干渉が発生したり、表面処理後に外観不良として顕在化することがあります。
一般的な改善策と限界
二次バリの対策としては、ツールライフ(工具寿命)を考慮した工具の交換サイクルを適正化することなどが求められますが、工具の交換サイクルの見直しや加工条件の見直しだけでは、仕上がりのばらつきを抑えきれない場合があります。
工具による違いの比較
| 比較項目 | 超硬ロータリーバー | ブラシ (砥粒入りナイロンブラシなど) |
ゴム砥石 |
|---|---|---|---|
| 目詰まり | 発生する場合がある | 比較的少ない | ゴムの変形により 切りくずを排出しやすく、 目詰まりを抑制しやすい |
| 仕上がり品質 | エッジだれが発生する場合がある | 微細バリが残る場合がある | 均一化しやすい |
| 作業性 | 条件管理が重要 | 比較的扱いやすい | 追従性が高い |
| 耐久性 | 高い | 条件依存 | 自生作用で性能を維持しやすい |
| 再現性 | 設備条件の影響を受ける | 形状依存 | 安定しやすい |
ゴム砥石が二次バリ除去に適合しやすい理由
ゴム砥石とは、砥粒の結合剤(ボンド)にゴムを用いた砥石です。
ゴム弾性によって加工対象へ追従しながら加工できるため、研削と研磨を同時に行いやすい特徴があります。
また、一般砥石が気孔構造を持つのに対し、ゴム砥石は気孔を持たない構造です。
ゴム砥石はゴムの変形によって切りくずを排出しやすく、目詰まりが進みにくい状態を保ちます。
バリ除去後の仕上げ工程では、大きなバリを削り取る能力よりも、エッジ周辺に残った微細な二次バリを安定して除去できることが重要になります。
そのため、超硬ロータリーバーやブラシの後工程としてゴム砥石が活用される場合があります。
現場での具体例
バリ除去後の仕上げ工程では、使用する工具や加工条件によって、バリ残りや加工ムラの発生状況が変化することがあります。
また、工具摩耗や目詰まりが進行すると、当たり方や加工音が変化することがあり、工具状態を確認する際の目安となることがあります。
回転数や当て圧の管理だけでなく、工具摩耗に伴うバリ残りや加工ムラの発生状況を把握することも重要です。
自動化ラインでの評価ポイント
自動化ラインでは以下の管理が重要になります。
- 当て圧の一定化
- 回転数管理
- 工具摩耗の確認
- 接触時間の管理
- 品質ばらつきの監視
- ライン停止要因の把握
特に量産ラインでは、工具寿命だけでなく、どの段階でバリ残りや加工ムラが発生し始めるかを把握し、適切な工具交換タイミングを管理することが重要です。
まとめ
二次バリ対策では、バリ除去能力だけで工具を選定すると、仕上げ工程で品質課題が発生することがあります。
超硬ロータリーバーやブラシによるバリ除去の後に、二次バリ除去を含む仕上げ工程を設けることで、バリ残りが洗浄・組立・表面処理工程へ及ぼす影響を抑え、品質の安定化につながるケースがあります。
ダイワラビン株式会社の弾性ゴム砥石「ダイワラビン」は、バリ除去後の二次バリ除去や仕上げ工程で活用されています。ゴム弾性による追従性や自生作用を活かし、加工安定性や再現性の向上を目的とした工程改善の選択肢となっています。
二次バリや品質のばらつき、自動化ラインでの再現性に課題がある場合は、工具単体ではなく工程全体の観点から見直すことが重要です。加工条件やワーク形状に応じた工具選定については、ぜひご相談ください。




